注文住宅の理想と現実との比較

注文住宅のメリットというのは、お洒落な空間を創り出すことができることにあります。オリジナルで、個性を出す空間にすることができ、他の建売とは違う独特のこだわりを反映した間取りにすることができるのです。その点で、リビングをどのようにするかは悩ましいことかもしれません。自分たちが住むだけでなく、来客者、友人や親族を招いて談笑する空間になるので、少しでも素敵な空間にしたいと思うのは当然です。

リビングで人気なのは、高い天井、できれば吹き抜け、そして階段をつけることにより、家族がリビングに集まりやすくする、ことかもしれません。確かにこうした間取りは、空間が広々しますし、西洋風の雰囲気を出すこともできます。夏は涼しいイメージを持つこともできるでしょう。

とはいえ、やがていろいろと気になる部分も出てくるかもしれません。吹き抜けはルックスが良いものの、どうしても冷暖房が効きにくくなってしまうということです。そのために、ランニングコストが予想以上にかかってしまうことが重しになってくる可能性があります。冬は寒くてなかなか暖まらない、そのため、あまりリビングにはいたくない、そんな気持ちにさえなるかもしれません。また、階段をつけることは、家族が2階から降りるときに、必ずリビングを通ることになるので、コミュニケーションを取りやすい、というメリットが生まれるものの、いつも顔を合わせるというのが、ストレスとなってしまう場合もあります。

このように、今回は2つだけを取り上げましたが、他にも収納や水回り、また外構など、決めるべきことはたくさんあり、どの点においても、一長一短ある部分があるために、その両方を比較して、ベストな決定をしていくことができます。自分の家族にとって最も良い間取りはどのようなものか、その点を重要視していくことができます。憧れや理想、お洒落という点ばかりを追い求めると、実際に住んだ後で、後悔するということにもなりかねません。家づくりは、刺激的で興奮する出来事ですが、いろいろと悩ましい問題も出てきます。